前略、セチガラ山より。

ブービンとか呼ばれている人の日々の世知辛いアレ

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先日、トーマス・ルフ展に行ってきました。日本ではそれほど人気のあるアーティストではないと思っていたのですが、結構混んでましたよ。


Thomas Ruff


ルフはジャーマンアート界隈の重鎮、ベッヒャー夫妻の教えを受けたいわゆるベッヒャー派の1人です。デュッセルドルフアカデミーの一味。


 


日本のアート界隈では情熱的な写真家が好まれる傾向にある気がします。そのため、客観的に捉えることで本質的な構造や要素を浮かび上がらせる、ベッヒャーの教え子たちはピンとこない人が多いのかも?と、思ってました。ところが混雑ぶりからすると、そうでもないみたいですな。 


 



Typologies of Industrial Buildings (MIT Press)

Typologies of Industrial Buildings (MIT Press)




 



 


ルフの作品をまとめて観たのは初めてでした。ベッヒャー軍団らしいタイポロジー以外にも、実験的な試みをいろいろやっていてアプローチへのこだわりのなさはゲルハルト・リヒターっぽい感じがします。


 


ちなみにタイポロジーというのは、考古学や考現学社会学や心理学、建築、芸術なんかで使われる言葉です。日本語だと類型学なんて呼びます。


 


似たようなものを集めて全体の中から浮かび上がる本質的な要素を引っこ抜く、そんなやり方です。言葉にすると学問的でかたいイメージですが、これはみんなやっていることですよね。


 


オタクと言ったらイメージするもの、何かありますよね。キャバ嬢と言ったらイメージするもの、おそらく何かあるはず。渋谷と言ったら? 沖縄と言ったら? 特徴だったり抽象的な概念だったり、それはいろいろかもしれませんが、みんな類型学してます。それをアートでやるのか、建築でやるのか、社会学でやるのかって話です。


 



オタクのことが面白いほどわかる本

オタクのことが面白いほどわかる本




 



 


やはり単発の作品より1人の人間にフォーカスした企画展は表現者のチャレンジがよくわかります。


 


ベッヒャーの教え子たちは、写真の世界というより現代美術の文脈で評価を受けています。コンセプチュアルなところが強いので、単品よりもまとまっていた方が受け取りやすいかもしれません。


 


好みをいえば、やはりトーマス・シュトゥルートの引き算の美が好きですが、ルフは手法に対し意欲的な感じがしますね。


 


そんなわけで久しぶりにアート脳させてもらってホクホク。仕事を離れて違う脳みそ使うのもまた、芸術の秋でございます。近代美術館にはシュトゥルートも収蔵されてるので、常設も要チェックですよ。


 



トーマス・シュトゥルート 心象

トーマス・シュトゥルート 心象




 


現代写真論

現代写真論




 



 


 


 


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